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2月28日すさみ町で現地学習会が行われました

 2月28日(日)13時30分からすさみ町総合センターで、現地学習会「歴史から学ぶ防災2015―災害の記憶を未来に伝える―」が開催され、すさみ町をはじめ72人の参加がありました。

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 まず、主催者を代表して当館の苗代副館長が開会の挨拶を行いました。

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 続いて、5人の方々に報告を行っていただきました。
 和歌山大学紀州経済史文化史研究所特任准教授の吉村旭輝さんの「祭りの『保存』と『継承』-すさみ町を事例として-」の報告では、近年の少子化や高齢化、生活スタイルの変化のなかで、和歌山県下で行われている祭りのなかには、存続の危機にさらせているものが少なくないという現状が指摘されました。そのうえで、すさみ町内で行われている祭礼について、具体的に画像や映像で紹介されました。最後に、どのようにすれば祭りが継承されるのかという問題を考える場合、その祭りの歴史や現状を見極めて、それぞれにあった継承方法を検討する必要があるとされました。

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 和歌山大学名誉教授の藤本清二郎さんの「宝永地震津波と周参見下地浦の『浪避堤』」の報告では、下地浦に残る3つの石碑(①万福寺境内にある、享保8年[1723]の宝篋印塔[宝永津波水死者供養碑]、②享保4年の周参見三郎左衛門良房の墓碑、③昭和2年の「志士谷三郎左衛門記念碑」が紹介され、併せて谷三郎左衛門が宝永地震津波後に築造したとされる「浪避堤」の構造を、県内で同時期に築造されたとみられる波除堤などと比較するなかで、その重要性が指摘されました。そのうえで、こうした石碑や堤は、下地浦の歩みを語ってくれる地域の貴重な「災害の記憶」であり、歴史文化遺産であるとされました。

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 和歌山県立博物館の袴田舞さんの「持宝寺と長沢芦雪」の報告では、まず周参見にある持宝寺の歴史、寺宝である「海月図」の筆者である長沢芦雪、「十六羅漢図」の筆者である長沢芦洲について、その作品とともに詳しく説明されました。そのうえで、芦雪の絵が、持宝寺にある背景として、紀南地方を襲った宝永4年の地震津波、被害を受けた草堂寺・無量寺・成就寺の再建などがあり、その関わりがあることが指摘されました。

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 和歌山県立博物館主任学芸員の前田正明の「大日山頂上の「為後鍳(のちのかがみのため)」碑と大日講」の報告では、まず、これまで「災害の記憶」が、どのようにして伝えられて来たかを紹介しました。そのうえで、100から150年に一度の大地震津波を常に記憶にとどめておくことは不可能であり、先人たちは記憶は忘れ去れるものとして、その忘れ去られている記憶をいかにして蘇らせるかに知恵を絞ったとしました。その点を「為後鍳」碑と調査のなかで発見された「大日如来堂再建趣意書」の分析から、大日講を通じて、山崎の人たちは「為後鍳」碑に記された「災害の記憶」を毎年蘇らせたと指摘しました。

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 近大姫路大学人文学・人権教育研究所准教授の松下正和さんの「災害資料を活かした自主防災活動について」の報告では、まず災害発生以降に作られた災害資料のなかで、津波記念碑が全国的に見て和歌山県にたくさん残されていることが紹介されました。そのうえで、全国にある災害記念碑のなかで、特徴的なものを紹介され、具体的にどのように活用されているかを紹介されました。最後に、津波記念碑の存在を知ること。その所在を正確に知って、後世に伝えること。記されている内容を知ること。碑を建てた先人たちの思いをくみ取り、未来につなげていくことが大切であるとされました。

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 質疑応答のあと、希望者を募って行われたワークショップでは、松下正和さんの司会のもとで行いました。参加者が多く、自己紹介を兼ねた今回の学習会の感想をお聞きする程度で時間切れとなってしまいましたが、すさみの住民の方々の防災意識の高さを実感しました。

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 すさみ町、すさみ町教育委員会のご協力も得て、盛況のうち終わることができましたこと、心からお礼申しあげます。

(主任学芸員 前田正明)

災害記念碑一覧
和歌山県立博物館ウェブサイト
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