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紀の川市・円福寺への文化財レプリカの安置-和工生とともに-

 和歌山県立博物館(和歌山県立博物館施設活性化事業実行委員会)では、平成26年度の文化庁補助事業(あらゆる人びととつながる博物館づくり事業)の一環として、和歌山県内に所在する文化財の保全のため、和歌山県立和歌山工業高等学校の生徒とともに、3Dプリンターを活用してレプリカ作製を行いました。
 作製したのは、和歌山県紀の川市の円福寺に所蔵される愛染明王立像です。実はこの仏像は、平成22年(2010)10月に盗難被害を受けたもので、その後平成25年(2013)2月に発行された古美術商のオークションカタログに掲載されたことで所在が判明し、円福寺へと取り戻されたものです。取り戻した後、管理上の不安が解消されないことから、県立博物館で寄託を受けてきましたが、信仰環境を少しでも維持するためにレプリカの作製と安置を提案し、同意を得たものです。
 レプリカは、実物の仏像をレーザー計測し、そのデータをパソコン上で修正して、3Dプリンターで出力して制作しました。本体、台座、光背をそれぞれ作り、かつそれぞれが大型のため、パーツを分割して出力し、接着しています。できあがったものに、アクリル絵の具で着色して完成です。
愛染明王立像と複製
【左が実物の愛染明王立像。 右が3Dプリンターで出力した複製。】

 平成27年2月20日、完成したレプリカを円福寺に安置するため、製作に携わった県立和歌山工業高校の生徒9名と担当の先生とともに、現地を訪れました。お集まりいただいた地域の皆様に、これまでの事業経過をご説明し、円福寺からの感謝状、そして博物館から生徒のみなさんへの感謝状の贈呈を行いました。その後、須弥壇上に愛染明王立像を安置。違和感なくお堂の中に溶け込んでいるようで、担当者としてもほっと一安心した次第です。
 地区の総代さんからは、「複製」ではなく「分身」として末永くおまつりしていきたい、とのお話しがありました。生徒の皆さんにとっても、授業の中で行ったことが、地域の人々のお役に立ったということを実感してもらえた一日であったと思います。(主査学芸員 大河内智之)
円福寺奉納1
円福寺奉納2
円福寺奉納3

 
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