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コラム 紀州の画家紹介 2 狩野興益(かのうこうえき)

企画展「江戸時代の紀州の画家たち」の関連コラム
「紀州の画家紹介」
2回目にご紹介するのは、狩野興益(かのうこうえき)です。


狩野興益(かのうこうえき)

◆生 年:未詳

◆没 年:宝永2年(1705)5月22日

◆享 年:未詳

◆家 系:紀伊狩野の画家の初代である狩野興甫(かのうこうほ、?~1671)の長男

◆出身地:紀伊

◆活躍地:紀伊・江戸・京都など

◆師 匠:狩野興甫(父)

◆門 人:狩野興伯(かのうこうはく、?~1707)(長男)

◆流 派:狩野派(紀伊狩野)

◆画 題:山水・花鳥・人物など

◆別 名:弥右衛門

◆経 歴:紀伊藩のお抱え絵師。万治3年(1660)、父である狩野興甫の跡を継いで紀伊狩野家の2代となり、切米100石をもらう。延宝3年(1675)、狩野安信(かのうやすのぶ、1613~85)を中心とする江戸狩野一門の一員として京都の内裏造営の障壁画制作に参加。延宝6年(1678)、興甫と同じ10人扶持となる。元禄5年(1692)、報恩寺(ほうおんじ)の「涅槃図(ねはんず)」(現存するが開披不能)を描く。元禄10年(1697)、300石に加増。元禄11年(1698)、長男の興伯に家督を譲って隠居。以後、年々金20両5人扶持をもらう。

◆代表作:「鶏図(にわとりず)」(和歌山県立博物館蔵)、「涅槃図」(報恩寺蔵)元禄5年(1692)など


今回展示しているのは、数少ない興益の作例である「鶏図」(和歌山県立博物館蔵)です。
狩野興益筆 「鶏図」 (和歌山県立博物館蔵) 軽
(以下、いずれも画像をクリックすると拡大します)
狩野興益筆 「鶏図」 款記 (和歌山県立博物館蔵) 軽 狩野興益筆 「鶏図」 印章 (和歌山県立博物館蔵) 軽

狩野興益筆 「鶏図」 鶏部分 (和歌山県立博物館蔵) 軽
款記は「興益筆」で、印章は「狩野氏印」(朱文方印)です。

現在知られている興益の作品は、この「鶏図」と、博物館の裏手にある報恩寺の「涅槃図」だけです。ただ、報恩寺は、何度かの火災にあっており、大幅の「涅槃図」は、その火災の煙で焦げているため、掛け軸を開くのが困難な状況となっています。すなわち、この「鶏図」は、現在見られる興益の作品として、きわめて貴重であり、その羽毛の表現などからは、興益の高い技量をうかがうことができるのです。

ほとんど作品の残っていない興益の絵を見る絶好の機会です。
ぜひ、博物館へお越しください。(学芸員 安永拓世)

江戸時代の紀州の画家たち
和歌山県立博物館ウェブサイト
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