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スポット展示 和歌祭・面掛行列の仮面

スポット展示
和歌祭・面掛行列の仮面
平成25年12月7日(土)~平成26年1月19日(日)
スポット展示和歌祭・面掛行列の仮面

 紀州東照宮の春の例大祭・和歌祭では、神事のクライマックスである神輿渡御の際に、神輿の後ろにさまざまな芸能を行う行列が連なります。その中に、仮面をつけて仮装し、にぎやかに練り歩く、面掛、あるいは面被、百面などとよばれる行列があります。
 この面掛で使用されてきた仮面は、古い神事面や能面、狂言面、神楽面など98面から構成され、全国的にも類例の少ない大変珍しいものです。
 和歌山県立博物館では、企画展「仮面の諸相-乾武俊氏の収集資料から-」を開催するにあたり、和歌山県を代表する仮面群である面掛行列の仮面も、同じ会期で公開いたします。
 面掛行列の仮面の中から、近年修復を行った代表的な作品を中心に23面を展示し、仮面の魅力に身近に接して頂くとともに、仮面が語りかける和歌山の歴史に思いをはせる機会となりましたら幸いです。

主  催 和歌山県立博物館
会  期 平成25年(2013)12月7日(土)~平成26年(2014)1月19日(日)
会  場 和歌山県立博物館2階情報コーナー
開館時間 午前9時30分~午後5時
入 館 料 無料(ただし、常設展示室・企画展示室へ入室される場合は入館料が必要)

出陳資料
 賢徳  室町時代 面裏朱書銘「方廣作」
 若い女 江戸時代 面裏焼印「天下一友閑」
 男  桃山~江戸時代
 尉  室町時代 面裏朱書銘「方廣作」
 祖父  江戸時代
 男  鎌倉~南北朝時代
 男  室町時代
 笑尉  室町時代 面裏朱書銘「方廣作」
 小尉  江戸時代 面裏焼印「天下一友閑」
 筋男  江戸時代 面裏焼印「天下一友閑」
 増女  江戸時代 面裏焼印「天下一友閑」
 中将  江戸時代 面裏焼印「天下一友閑」
 べし見 室町時代 面裏朱書銘「□廣作」
 黒色尉 江戸時代 面裏刻銘「出目利満作」
 翁  江戸時代
 尉  室町時代 面裏朱書銘「方廣作」
 武悪  室町時代 面裏朱書銘「方廣作」
 東江  江戸時代 面裏焼印「天下一友閑」
 犬  江戸時代
 祖父  桃山~江戸時代
 空吹  室町~桃山時代
 大飛出 桃山~江戸時代 面裏金泥銘「出目法眼元理/栄満(花押)/大飛出/赤鶴作」
 猿  室町時代 面裏朱書銘「方廣作」

◎和歌祭の面掛行列とその仮面について
 和歌山市の西南に位置する風光明媚な景勝地・和歌浦に、徳川家康をまつった紀州東照宮があります。家康の子頼宣が、駿河国から紀伊国に領地替えとなって入国したのち、元和7年(1620)に東照宮を創建、翌年の春、家康の忌日である4月17日に初めての例祭が執り行われました。この例祭を和歌祭とよんでいます。
 和歌祭の大きな特徴は、神輿のあとに様々な種類の行列が連なることで、大変にぎやかな様相を示します。その行列の一つが面掛で、その名称の通り仮面を付け、華美な装束を身につけ、杖や扇を手にし、頭巾をかぶって練り歩きます。現在ではさらに飾りをつけた傘を持ったり、高下駄をはいたり、手に鳴り物を持ったりもしています。
 紀州東照宮には、面掛で使用されてきた中世から近代にかけて作られた仮面が98面が確認されています。仮面の構成は多様で、神事で使用されたと思われる仮面や、能面、狂言面、神楽面、鼻高面が混在しています。
 仮面の大半には面裏に「東照宮什物」の焼印と、朱字や白字で番号が記されていて、近代期に幾度かの整理が行われたことが分かります。現存する仮面に記された最も大きな整理番号は「第百拾六号」ですので、かつては今以上に仮面があったこともわかります。
 これらの仮面は一度に用意されたものではありません。面掛は元和8年の祭礼では38人の集団で、その後39人の構成を示す場合と(『紀伊国名所図会』ほか)、79人の構成を示す場合があり(『紀伊続風土記』)、その構成人数には増減がありました。
 東照宮祭礼である和歌祭の内容には藩主の意向が強く反映されましたので、最初に使用された仮面の手配には、藩主や藩が主体的に関わっていたと想定されます。中でも面裏に「方廣作」と朱字で記された仮面七面は、全て室町時代までに作られた古面で、おそらく江戸時代初期に集められたものでしょう。また面裏に江戸時代初期に活躍した有力な仮面制作者(面打)である「天下一友閑」(出目満庸)の焼印があるものが七面あり、こういった名人の仮面は当時でも入手が難しいもので、藩主の関与があったことを示唆しています。
 全体のうち神楽面が占める割合が大きく、それら庶民的な仮面の調達については藩の主導ではなく祭礼に参加した住民の関与があった可能性もあるでしょう。また近代においては一部の仮面が散逸し、新たに仮面を追加したともいわれます。また近年には、古い仮面の保護のため、NPO和歌の浦万葉薪能の会と能面文化協会の協力で新しい仮面の制作と奉納が行われ、新旧の仮面が併用されています。
 これらの仮面は、平成17年(2005)に和歌山県立博物館で開催した特別展「きのくに仮面の世界」で初めて全貌が明らかになり、その後調査を重ね、平成20年(2008)に企画展「奇跡の仮面、大集合!―紀州東照宮・和歌祭の面掛行列―」を開催して全ての仮面を公開し、その歴史的・文化的な価値の高さを多くの方々にご紹介しました。そうした成果に基づいて、平成21年(2009)には、96面が和歌山県指定文化財に指定されています。
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