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コラム「紐(ひも)の結び方がカギ?」

今回の「箱と包みを開いてみれば―文化財の収納法―」のコラムでは、
「紐(ひも)の結び方がカギ?」について、ご紹介しましょう。

茶道で使う茶道具は、陶磁器などのわれものが多いため、中身を割れないようにする工夫として、とりわけ多くの箱や包みに入れられています。
茶壺と箱

赤楽茶碗と箱と仕覆と更紗(画像をクリックすると拡大します)
そうした箱や包みには、たいてい紐がついており、それぞれの箱や包みに入れるたびに、たくさんの紐を結ぶことになります。

箱の紐の結び方には、結んだ人の個性が出ます。
同じ蝶々(ちょうちょう)結びをする靴(くつ)の紐の結び方でも、その結ぶ手順や結び方、結び終わったあとの形などが、十人十色なのと同様です。

とりわけ、茶道具の世界では、こうした箱や包みの紐の結び方に、細かいルールが定められました。
それはなぜでしょう?

たとえば、この茶碗を入れる紫色の袋は、仕覆(しふく)と呼ばれるもので、その紐の結び方が少し変わっています。
茶碗の仕覆 茶碗と箱と仕覆
こうした変わった結び方をする紐は、自分以外の人や、結び方を知らない人が結ぶと、すぐにわかってしまいます。
防犯用センサーや監視カメラがない時代、紐の結び方で、この箱や袋が知らない間に開けられたかどうかを知る「カギ」になったのです。

箱の紐の結び方などにも、同じような、防犯としての機能があったと考えられます。
茶道の流派によって、結び方を変えたりするのは、部外者によって、大切な茶道具を勝手に見られたり、盗まれたりするのを、防ぐという効果があったものと考えられます。

茶道の世界で、細かく決められた紐の結び方には、じつは、こうした防犯という実用的な側面もあったのです。(学芸員 安永拓世)

企画展 箱と包みを開いてみれば―文化財の収納法―
和歌山県立博物館ウェブサイト

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