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ミュージアムトーク5回目(箱と包みを開いてみれば)

本日、7月7日は、七夕まつりに引き続き、企画展「箱と包みを開いてみれば―文化財の収納法―」の
5回目のミュージアムトーク(展示解説)がおこなわれました。

七夕まつりから引き続きであったこともあり、いつもよりもトークへの参加者は多く、20名ほどでした。

トークの風景はこんな感じです。
20120707トーク1 20120707トーク2
20120707トーク3 20120707トーク4
20120707トーク5 20120707トーク6
20120707トーク7(画像をクリックすると拡大します)

ご参加いただいたみなさま、お忙しい中、お付き合いくださり、ありがとうございました。

トーク終了後は、
「茶道具の箱の紐(ひも)の結びに、
防犯としての機能があるというのは、目からウロコでした」

というご意見をいただきました。

こうした茶道具の紐が果たす防犯機能については、
コラム「紐の結び方がカギ?」でご紹介しておりますので、ご参照ください。
→コラム「紐の結び方がカギ?」

ところで、紐の役割について、もう一つご紹介しておきましょう。

この白い茶入を入れる仕覆という袋は、茶入を使うときには、下のような結び方をしますが、
茶入と箱と仕覆2(画像をクリックすると拡大します)

茶入を使わないときには、下のような結び方をします。
偕楽園焼 白釉振出茶入 個人蔵(画像をクリックすると拡大します)

下のような袋の紐の結び方は、「休め緒(やすめお)」を呼ばれる結び方で、ほとんど力を加えずに結ぶことのできる、紐を傷めない結び方です。

きちんと結ぶときには、力を加えないといけない紐の部分は、包みの中でも一番傷みやすい部分です。
蝶々(ちょうちょう)結びなどでもそうですが、結ぶときには力を加えてしっかり結びますが、ほどくときには、輪になっていない部分をひっぱると、力を加えないでもほどくことができます。

このように、ほどけにくく、しっかり結べ、かつ、一か所をひっぱると力を加えなくてもほどくことができる結び方は、紐を傷めない工夫であったといえるでしょう。

紐の結び方にも、さまざまな、工夫や知恵の深い歴史があるのです。

さて、次回以降のトークは残すところ、
あと7月15日(日)の1回のみです。

時間は、13時30分から1時間程度を予定しています。

ぜひ、ふるってご参加ください。(学芸員 安永拓世)

企画展 箱と包みを開いてみれば―文化財の収納法―
和歌山県立博物館ウェブサイト
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