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触って見るレプリカ・触って読む図録、ただいま作製中!

昨年8月25日付けの博物館ニュースで、事業の第一報(→こちら)をご紹介してから、すっかり報告を行うことを怠っておりました。スイマセンm(_ _)m。

事業の柱は3本立て。
①和歌山工業高校との連携で、常設展示室に設置するさわれるレプリカ資料を作製。
②さわれるレプリカと連動して、さわって読む図録を作製。
③常設展示室内の照度環境の改善を行い、だれもが快適にすごせる展示室にする。

 まず①のレプリカ作りについて、昨年夏から順調にレプリカ作製を進め、先般全てのレプリカができあがりました。一石五輪塔計測中
 実物を3Dデジタイザでレーザー計測し、そのデータをCADソフトで手作業で修正して、できあがった立体データを3Dプリンターを用いてプラスチック成形します。このレプリカ作りは、和歌山県立和歌山工業高校産業デザイン課の実習として行って頂きました。
 作った資料は、銅鐸(太田・黒田遺跡出土)、鳥形埴輪(大日山35号墳出土)、蓮華文軒丸瓦(上野廃寺・西国分廃寺出土)、大日如来坐像(那智経塚出土)、一石五輪塔(根来西山地区出土)、偕楽園焼交趾写二彩寿字文花生、牛馬童子像の7つです。
レプリカのようす(作製途中)

 次に②の図録ですが、先のレプリカと同じ資料を掲載し、解説文、図版とともに、それらの上に特殊な盛り上げ印刷で点字と線描を乗せ、見える人、見えない人、見えにくい人がともに読むことができる本です。今回の本のテーマは「きのくにの祈り」。弥生時代から現代まで、祈りのかたちをたどって、人々の歴史の一端に触れて頂きます。ただいま校正作業の真っ最中。
 特に難しいのが写真の上にのせる触る線をどのようにデザインするかです。線にしたり、ドットにしたり、面にしたり、斜線にしたり、どんな触りごこちだろうかと想像しながら原案を作ります。線だけをイラストレーターで作ったのが一番右のもの。これでいいかどうかを確かめるには、実際に触るしかありません。でもどうやって?
 そこで役立つのが立体コピー。この図を、熱で膨らむカプセルが挟み込まれた特殊なカプセルペーパーにコピーし、ヒーターに通すと、印刷面の黒い部分だけ盛り上がるのです。これで和歌山県立和歌山盲学校の全盲の先生に触り比べて頂き、検討します。検討の際には、レプリカも持参して実物のイメージも掴んで頂き、平面でその情報が的確に反映できているかどうかも確かめました。
 こうした検討を踏まえて原稿を作成し、透明な特殊素材を盛り上げる印刷へと、工程が進んでいきます。まだまだもう一踏ん張り。
さわる図録校正途中

 ③は、常設展示室内が、資料保存の観点から全体的に光量を絞っていて暗く、高齢のお客様、弱視のお客様など利用の上で不安をお感じになることがありました。そこでLED光源を導入して、通路の照度をあげようとするものです。こちらも現在、光源の発注などを行っています。

 最終的に、③の光源で明るくなった常設展示室内の通路に新たに展示台を設置し、①で作ったレプリカを展示します。実はこれらのレプリカの多くは、実物(あるいは複製)が常設展示質の展示ケース内にあり、連動しています。レプリカの脇には②で作ったさわって読む図録の解説ページを貼り付け、解説パネルとします。図録は盲学校や図書館に寄贈するとともに、館内で自由に利用いただきます。現在のところ3月中旬ごろを予定しています。
 それより先に、博物館ロビーでレプリカのプレ展示も予定しています。どうぞお楽しみに!
(学芸員 大河内智之)
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