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ミュージアムトークを行いました(3)

 今日(16日)、午後1時30分から、6回目のミュージアムトークを行い、15人の方に参加していただきました。

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(調月村・上野村絵図の前での展示説明)

調月村上野村絵図
(調月村・上野村絵図〈部分〉、金剛峯寺蔵)

 調月村・上野村絵図は、神田村(こうだむら、現在の紀の川市桃山町神田)から調月村(つかつきむら、現在の紀の川市桃山町調月)にいたる柘榴川(ざくろがわ)流域(とくに右岸)の耕地を中心に描いたものです。

 今回は、この絵図に描かれた神田村付近を紹介します。
 柘榴川はこの絵図の右下(東南)から左上(北西)に流れています。
上流部(右下)の左岸には二の涌(ゆ)の取入口がみえ、ここから取水した二の涌は柘榴川左岸の田地を潤しています。

022二の涌
(現在の二の涌の取入口)

 一方、右岸には一の涌(ゆ)が描かれ(取入口はさらに上流のため、この絵図には描かれていません)、一の涌は御船大明神(三船神社)のすぐ西側を流れ、北に向かって流れています。

水路・一の涌056
(現在の一の涌)

 一の涌・二の涌は、神田村の開発と密接にかかわる用水路と考えられますが、築造された時期はいまのところ不明です。
 ところで、二の涌の取入口よりも下流をみると、両岸に石垣が積まれ、堰が築かれています。
この絵図から、柘榴川の両岸の堤を整備し、堰を築き、用水路をひくことによって、とくに右岸が田地化されていった様子がわかります。
残念ながら、近年行われた改修工事によって、現在は絵図に描かれた景観はみられません。

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(絵図に描かれた「おたびの溝路」の取入口付近の現況)

  この絵図の右側(東側)には御船大明神(三船神社)が描かれ、左側(西側)の柘榴川対岸の上野村の八幡山には、社殿(八幡宮)と堂舎(興山寺)が描かれています。
覚栄(かくえい、??1622)は、天正18年(1590)に三船神社と八幡宮を修造し、興山寺を創建しています。
八幡宮は明治41年(1908)に三船神社に合祀されたため、現在は果樹園となり、その痕跡をみることはできません。

調月村上野村絵図(部分) - コピー      調月村上野村絵図(部分2)
(絵図に描かれた三船神社付近)  (絵図に描かれた興山寺・八幡宮付近)

 紀の川市桃山町最上にあった八幡宮については、特別展図録に、前田執筆のコラム(「八幡宮と?あらかわ?」)が掲載されていますので、あわせてご覧ください。


【音声ガイドのご案内】

 当館では、来館していただいた方々に、展示がよりわかりやすくご覧いただけるよう、音声ガイドのサービスを行っています(有料:大人200円、高校生以下100円、ただし、障害者の方は無料で利用できます)。
現在開催中の特別展では、24か所にポイントを設置しています。

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(会場設置図)

 例えば、今回紹介した調月村・上野村絵図も、音声ガイドで、「柘榴川流域を描いた絵図」として紹介しています。

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(調月村・上野村絵図の展示風景)      (音声ガイドの標識)

冒頭の25秒ほどですが、ご関心のある方、一度試聴してみてください。

(試聴してみる)


 当館で行っている音声ガイドは、シナリオの制作から吹き込み・音声データの編集、機材へのセッティングまで博物館職員がすべて行っています。
 音声ガイドについては、当館の竹中学芸課長執筆の「和歌山県立博物館の音声ガイドシステムについて」(『和歌山県立博物館研究紀要』16、2010)で紹介していますので、ご参照ください。

 24日(日)には、博物館講座「安楽寿院・?あらかわ?と覚栄」(講師・前田正明)を行います。振るって、ご参加ください。

(主任学芸員 前田正明)

→和歌山県立博物館ウェブサイト
→特別展 京都・安楽寿院と紀州・?あらかわ?
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