コラム「日光社と湯川川流域の仏教文化」 有田川町最奥の地、有田川町上湯川の日光山(標高1110m)の山中に、江戸時代まで日光社という神社がありました。最も盛えたころには多数の建物があったようですが、明治時代に廃絶し、現在は小さな祠が再建されています。祭られた神様の名前をはじめ不明なことが多い謎の神社ですが、そのかつての景観を示す貴重な資料として日光社参詣曼荼羅(和歌山県指定文化財)が残されています...
和歌山県立博物館では、和歌山県立和歌山工業高等学校の協力を得て、3Dプリンターを用いた文化財の精巧な複製を制作し、文化財の防犯対策を行っています。これは高齢化や人口減少などの要因により、管理や保全が困難になっている地域の寺社等にある文化財を博物館等で保管し、かつ、信仰されてきた環境も従来通り維持するための取り組みで、平成24年度から28年度までの5年間に、県内9か所の寺社に20体の複製を安置してきました...
スポット展示「鹿児島県・日光神社の若い女面」平成29年(2017)2月4日(土)~3月5日(日) 和歌山県立博物館でただいま開催している企画展「有田川中流域の仏教文化―重要文化財・安楽寺多宝小塔修理完成記念―」(会期:1月21日~3月5日)では、有田川町上湯川の日光山の山中にあって、明治時代に廃絶して今は小祠のみが残る、日光社について紹介しています。 和歌山県立博物館の収蔵品の中に、面裏に「享禄三年/十一月...
コラム「安楽寺多宝小塔と胎蔵界大日如来坐像―高野山の宗教シンボル―」 有田川町二川の安楽寺に伝来する安楽寺多宝小塔は、総高209.5㎝を計る、南北朝時代(14世紀)に建立された優美な姿を見せる小さな建造物で、重要文化財に指定されています。この塔が納められている収蔵庫の改修にあわせて平成27年度より修理が施され、このたび無事竣工を迎えました。 修理前の安楽寺多宝小塔の初層部は、正面中央に扉構えがあるのみのシン...