「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム9回目です。以前、このコラムで、玉洲が使っていた画材道具をご紹介しましたが、今回は、それとは別に伝来している玉洲が使ったとされる画材道具である「画材道具 (伝桑山玉洲所用)」をご紹介しましょう。(画像をクリックすると拡大します)画材道具 (伝桑山玉洲所用)(がざいどうぐ (でんくわやまぎょくしゅうしょよう))これは、和歌山市内の旧家から発見されたという画材道具で、外...
現在開催中の特別展、「桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―」は、6月2日(日)で終了いたします。残すところ、あと3日となりました。展示室の状況は、こんな感じです。(いずれも画像をクリックすると拡大します)玉洲が集めて学んだ中国の絵と、それに基づいて玉洲が描いた絵を、並べて展示しています。これらは、現在、別々の所蔵者が所蔵しており、約200年ぶりに再会を果たした資料といえま...
「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム8回目です。今回のコラムでは、今回の展覧会のメインでもあり、近年、桑山家旧蔵資料の一つとして発見された、中国の明時代の作例である杜垣筆「梅花書屋図扇面」についてご紹介しましょう。(画像をクリックすると拡大します)梅花書屋図扇面 杜垣筆(ばいかしょおくずせんめん とえんひつ)紙本金箋著色 1幅 径17.0㎝ 横(最大)52.3㎝中国・明時代(16~17世紀) 個人蔵こ...
現在、開催中の特別展「桑山玉洲のアトリエ」展の関連企画として、5月3日に開催された、博物館講座「アトリエを通して見る桑山玉洲」で配布したレジュメや資料について、pdfのファイルで公開しました。ご興味のある方は、ご参照くださりませ。→博物館講座 「アトリエを通して見る桑山玉洲」レジュメなお、博物館講座の様子は、下記の博物館ニュースの記事をご参照ください。(学芸員 安永拓世)→博物館講座 「アトリエを通し...
本日、5月26日(日)は、現在開催中の特別展「桑山玉洲のアトリエ」の関連イベントとして、ワークショップ「作ってみよう、石のハンコ」2回目が開催されました。前回のワークショップはこちらをご参照ください。→ワークショップ「作ってみよう、石のハンコ」1回目ワークショップの時間は、1回目と同じく13:30~15:30までの2時間ほど。要領は、1回目のワークショップと同様だったものの、今回も、何人か子どもを...
「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム7回目です。今回のコラムでは、近年発見されて、和歌山県立博物館の所蔵となった桑山玉洲筆「渡水羅漢図」についてご紹介しましょう。(画像をクリックすると拡大します)渡水羅漢図 桑山玉洲筆(とすいらかんず くわやまぎょくしゅうひつ)絹本著色 1幅 縦105.4㎝ 横51.7㎝安永2年(1773) 玉洲28歳 和歌山県立博物館蔵この絵は、岸辺から水に入って川を渡る総勢32名...
平成25年5月21日から23日までの3日間、和歌山市立貴志中学校の生徒3人を、職場体験学習として受け入れました。初日の21日、館内を案内している際、生徒の1人が緊張のあまり体調を崩したので、予定を変更して、まずはゆっくり座ってできるチケット等の仕分け作業と、新聞記事の切り抜きと整理作業から。午後は、館内の各所を見学し、収蔵庫では火縄銃や刀の重さも体験してもらった後、館内にある写場を整理し、掃除機をかけて丁...
「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム6回目です。「桑山玉洲のアトリエ」という展覧会を開催しながら、ここまで、コラムや展覧会の広報記事では、玉洲が集めた書画や、画材道具ばかりご紹介してきましたが、肝心の桑山玉洲本人については、ほとんど、ご紹介してきませんでした。申し訳ございません。あるいは、玉洲の顔もご存じない方が、ほとんどなのではないでしょうか。かくいう私自身も、実は、この展覧会を開催する前は、かなり...
スポット展示緊急公開!帰ってきた仏像平成25年6月1日(土)~7月15日(月・祝) 平成22年(2010)から翌年の春にかけて、和歌山県下では連続60件に及ぶ、全国的にも類例のない規模の文化財盗難事件が発生しました。犯人は逮捕されたものの、売り捌かれた文化財の多くが今もなお未発見のまま、本来の所蔵者の元に戻っていません。 紀の川市穴伏の円福寺でも、平成22年10月、11体の仏像が盗難被害を受けました。そのうちの3体...
5月18日(土)は、記念講演会と対談に引き続き、15:20から、特別展「桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―」のミュージアムトーク(展示解説)がおこなわれました。記念講演会の後に、そのままご参加いただいた方も多かったので、参加者は25名ほどでした。トークの風景はこんな感じです。 (いずれも画像をクリックすると拡大します)トークが終わったのは、16:20ごろ…。記念講演会...
5月18日(土)は、「桑山玉洲のアトリエ」展の関連事業でもありますが「国際博物館の日」記念講演会として「語り合う 桑山玉洲の魅力」という演題で、和歌山市教育委員会 文化振興課 学芸員の近藤 壮(こんどう たかし)氏にご講演いただきました。「国際博物館の日」とは、国際博物館会議(ICOM)が定めた記念日で、毎年5月18日が、「国際博物館の日」ということになっています。毎年、世界共通のテーマが設定されま...
「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム5回目です。さて、今回は、前回のコラムの続きで、玉洲が使った画材道具類の中に含まれている「画材道具類 (桑山玉洲所用)」のうちの「墨」をご紹介しましょう。(画像をクリックすると拡大します)画材道具類 (桑山玉洲所用)(がざいどうぐるい (くわやまぎょくしゅうしょよう))①「織布」墨(「しょくふ」ぼく) (画像をクリックすると拡大します)中国製の墨とみられ、側面には...
「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム4回目です。展覧会のタイトルに「アトリエ」という言葉がついているのにもかかわらず、あんまり「アトリエ」らしい資料をご紹介していませんでしたから、今回は、玉洲が使っていた画材道具「画材道具類 (桑山玉洲所用)」をご紹介しましょう。(画像をクリックすると拡大します)画材道具類 (桑山玉洲所用)(がざいどうぐるい (くわやまぎょくしゅうしょよう))これらは、桑山家に伝来し...
昨日(5月14日)より、「桑山玉洲のアトリエ」展の後期展示が始まりましたが、後期展示の間にも、いくつかイベントや関連企画が予定されています。それらをご紹介しておきましょう。まず、今週末の5月18日(土)には、「国際博物館の日」記念講演会が開催されます。◆「国際博物館の日」記念講演会「語り合う 桑山玉洲の魅力」日時:5月18日(土)13:30~15:00講師:近藤 壮氏(和歌山市教育委員会 文化振興課 ...
本日、5月14日より、現在開催中の特別展「桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―」の後期展示がはじまりました。前期展示からは、およそ半分ほどの資料が入れ替わりましたので、展示室の状況も、かなり変化しました。たとえば、掛軸(かけじく)は、ほとんどの資料が入れ替わりましたし、(画像をクリックすると拡大します)襖絵(ふすまえ)があった部分には、二種類の屛風(びょうぶ)も登場しまし...
「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム3回目です。今回は、玉洲が所蔵していた中国の絵の中から「朱竹図(しゅちくず) 雪僲筆(せっせんひつ)」をご紹介しましょう。(画像をクリックすると拡大します)朱竹図 雪僲筆(しゅちくず せっせんひつ)紙本金箋著色 1幅 縦106.2㎝ 横30.6㎝中国・清時代(17~18世紀)ヵ 個人蔵この絵は、桑山家に伝わった中国の絵のうちの一つです。掛軸(かけじく)の裏に貼(は)...
「桑山玉洲のアトリエ」展のコラム2回目です。今回は、玉洲が所蔵していた中国の絵の中から「墨梅図(ぼくばいず) 蔡簡筆(さいかんひつ)」をご紹介しましょう。(画像をクリックすると拡大します)墨梅図 蔡簡筆(ぼくばいず さいかんひつ)紙本墨画 1幅 縦127.2㎝ 横28.1㎝中国・明~清時代(17世紀) 個人蔵この絵は、桑山家の親戚筋にあたる旧家に、桑山家が所蔵していた桑山家旧蔵資料として一括で伝わ...
さて、連休中はイベント続きで、なかなかブログを更新する時間が取れず、コラムの執筆が遅くなってしまいました…。前期展示も終了間際になって、ようやく1回目のコラムです。まことに、申し訳ございません。今回のコラムでは、玉洲の絵画制作のプロセスがわかるような作例をいくつか取り上げて、それらを、玉洲が影響を受けたと思われる作品と比較しながら見ていきたいと思います。まず、1回目の今回は、玉洲の最初期の画業を代...
現在開催中の特別展、「桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―」では、会期中に大幅な展示替えをおこないます。会期をおよそ半分に分け、前期展示が、4月27日(土)~5月12日(日)後期展示が、5月14日(火)~6月2日(日)となっております。展示替えのリストはこちらです。→「桑山玉洲のアトリエ」展示資料目録そんなわけで、前期展示は残すところあと3日となりました。前期展示の見どこ...
本日、5月6日(月・祝)は、現在開催中の特別展「桑山玉洲のアトリエ」の関連イベントとして、ワークショップ「作ってみよう、石のハンコ」が開催されました。現在、展示室には、約200年前に、江戸時代の画家である桑山玉洲(くわやまぎょくしゅう、1746~99)が使った、石のハンコが展示されています。これと同じような石のハンコを自分でも作ってみようというのが、今回のワークショップです。ワークショップの時間は、13...
5月3日(金・祝)は、博物館講座に引き続き、15:15ごろから、特別展「桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―」のミュージアムトーク(展示解説)がおこなわれました。博物館講座の後に、そのままご参加いただいた方も多かったので、参加者は20名ほどでした。トークの風景はこんな感じです。 博物館講座から通してご参加いただくと、約2時間半の長丁場。こちらも、トークの終わりごろには、声...
5月3日(金・祝)は、「桑山玉洲のアトリエ」展の博物館講座が開催され、「アトリエを通して見る桑山玉洲」という演題で、講演をおこないました。ここ数日、5月とは思えないほど、涼しい気温の日が続いていましたが、本日は、5月らしい暖かい天候にもめぐまれたこともあってか、参加者はかなり多く、45名の方々にご参加いただきました。皆さま、連休でお休みのなか、ありがとうございました。会場の風景はこんな感じです。 ...
現在開催中の「桑山玉洲のアトリエ」展では、会期中に、大幅な展示替えをおこないます。前期展示は、4月27日(土)~5月12日(日)後期展示は、5月14日(火)~6月2日(日)となっており、一度に全ての展示資料を見ることができません。ただ、展覧会にあわせて発行した展覧会図録には、全ての資料を図版で掲載しておりますので、全ての資料を比較しながら見ることができます。今回は、図録のご紹介を兼ねて、その中身を...
4月29日は、特別展「桑山玉洲のアトリエ―紀州三大文人画家の一人、その制作現場に迫る―」のミュージアムトーク(展示解説)がおこなわれました。今回のトークもよい天気に恵まれ、参加者は15名ほどでした。トークの風景はこんな感じです。 今回のトークは、2回目で、少し慣れてきましたが、ちょっと延長してしまいました。お忙しい中、おつきあいいただいた方々、ありがとうございました。なお、次回以降のトークは次のとお...