連休中の9月22日、23日の両日、1時30分からミュージアムトーク(展示解説)を行いました。両日とも40?50人のお客様にご参加いただきました。 これぐらいの人数になると、どうしても小さな資料を一点一点ご紹介することは難しいので、展示の流れをご説明させていただきながら、「熊野ってなんだろう?」という本質的な問題を少しでもわかりやすくお伝えさせていただくことに努めました。各回とも、一時間の予定が15分ほど越え...
9月21日(月・祝)、特別展の記念講演会として「日本の神像―研究の最前線」を当館の伊東館長が講師を務めて行いました。約70人ほどのお客様にお越し頂き、テレビ和歌山さんのカメラも入って、熱気にあふれておりました。 伊東館長が、京都国立博物館や文化庁に勤めていた際に見いだしてきたたくさんの神像を取り上げながら、日本の神像を、1「神像の出現」(自然神・地域神・祖先神・神仏習合の諸相)、2「神像の展開―忿怒形...
熊野信仰とは何か(下) 末法の世の到来とともに熊野の神々は、阿弥陀如来(本宮)、薬師如来(新宮)、千手観音(那智山)と重ねられ、その地はそれら神仏の住む現世の浄土と位置付けられた。熊野三山を新たな聖地として成立させた原動力は、山林修行を行った持経者をルーツとする修験者にあった。すなわち熊野への参詣も、山という他界に入り、巡拝して日常の生活に戻る(甦る)、山岳修験の擬死再生の行として行われたのであっ...
世界遺産登録5周年記念特別展「熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―」で展示中の、神倉山銅鐸(展示番号8)につきまして、ご所有の熊野速玉大社者様のご都合により、9月22日(火・祝)の一日のみ、急遽パネル展示とすることとなりました。ご来館のお客様には大変申し訳ありませんが、なにとぞご了承下さいますよう、お願い申し上げます。→世界遺産登録5周年記念特別展 熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―→熊野三山...
9月17日(木)、18日(金)と、世界遺産登録5周年記念特別展「熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―」と連携した事業として、和歌山県立博物館友の会の研修旅行「熊野三山歴史体験ツアー」を行いました。従来からの会員様だけでなく、今回のために会員になっていただいた県外の方々もご参加頂き、熊野三山を巡拝する1泊2日の充実の旅となりました。 初日は、早朝に和歌山を発ち、田辺市中辺路町の滝尻王子に立ち寄り、熊...
熊野信仰とは何か(中) 古代の熊野では、地域の豪族の祖先の神として熊野川の上流や河口部に神々が祀られていた。また熊野では、奈良時代から山中で法華経を読み、その教えに従って修行を行う「持経者」とよばれる僧が多数いた。その修行は厳しく、命をすてて滅罪する捨身行も行われた。この持経者の山岳修行をルーツとするのが、のちの修験道である。熊野の神々は、この持経者を媒介として、次第に仏教と接近していったらしい。...
熊野信仰とは何か(上) 紀伊半島の南東部、熊野地域に、本宮・新宮・那智山の三つの聖地があり、熊野三山と呼ばれている。実はこの熊野三山という枠組みは、平安時代中期、11世紀の初めごろに形成されたもので、それ以前はそれぞれ独自の神祀りの場として成立していた。 熊野川の上流、川の中洲には本宮が、河口部には新宮があり、那智山には落差一三三mの那智滝があって、それぞれの信仰の場は水との関連が深い。このうち、新...
9月8日、いよいよ世界遺産登録5周年記念特別展「熊野三山の至宝―熊野信仰の祈りのかたち―」が開幕しました。 初日には、オープニングイベントとしまして、「熊野三山参詣曼荼羅の絵解き」を開催致しました。 まずは新宮市教育委員会の元学芸員、山本殖生さんによる、那智参詣曼荼羅と、平成19年に新たに作製された本宮参詣曼荼羅・新宮参詣曼荼羅の三山参詣曼荼羅の絵解き。熊野比丘尼に扮した山本さんが軽妙なトークで絵解...